新生児聴力検査

ママの子守唄は聴こえているのかな?「たまごクラブ」4月号掲載記事より

早期発見&早期ケアを

ママの声や外界の物音ー、耳から得る音の情報をしっかり脳で学習しながら、赤ちゃんはスクスク育っていきます。もしも声や音がよく聞こえずに乳幼児期を過ごすと、言葉の発達は遅れ、社会的な適応にも遅れてしまうために、赤ちゃんの早期聴力検査はとても大事なことです。赤ちゃんの難聴の頻度は軽度のものまで含めると1000人に5~6人と推定されています。赤ちゃんは生まれて3ヶ月くらいまでは突然の大きな音に反射的に反応しますが、この音に反応しない時は比較的重度の聴力障害といえます。このような難聴は日常生活の中でも案外わかるものですが軽度、中等度の難聴は2~3才頃になって言葉が遅いということで初めて気づく場合が多いのです。そこで注目されているのが、米国で開発され、日本の病院でも普及しはじめているALGO(アルゴ)という新生児ようABR(聴性脳幹反応)聴力検査装置。在胎週数34週から生後6ヶ月までの赤ちゃんに適用できる、「赤ちゃんにやさしい装置」です。出産後退院までの間にするのが理想的です。
赤ちゃんの難聴は早く発見して早期からお医者さんの指導により、お母さんの声をちゃんと聞かせてあげたり、補聴器をつけるなどの適切なケアが重要です。言葉の習得のハンディキャップを最小限に抑えることで、正常な聴力児に近づく可能性は大きくひらけます。

どんな聴力検査なの?/自動聴性脳幹反応のしくみ

赤ちゃんが眠っている間、短時間の検査で済みます。
検査時間は通常3~8分。ぐっすり安眠状態なら、1分程度で検査結果がでます。また、特別な検査場所を必要としないので、赤ちゃんを移動せずに、ベッドサイドで検査できます。誕生したその日から検査可能で、赤ちゃんへの負担はほとんどありません。
赤ちゃんの耳を傷めない、やさしく安全な装置です。
睡眠薬を使わずに、赤ちゃんの自然な睡眠時に検査する、安全な方法です。耳の中に器具などを挿入して赤ちゃんを驚かせたり、痛い思いをさせたりということもありません。
ヘッドホーンのような形状の専用のイヤーカプラは使い捨てで清潔。耳にあたる部分は、軽くてソフトな肌触りです。また、ひたいなどにつけるセンサーも、やさしいタッチです。
両耳を同時に検査し、左右、各々の評価が得られます。左右の耳を同時に評価することが可能・方耳のみの難聴でも見逃さず短時間にかつ簡便に高精度の結果が得られる検査装置です。